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箱田 照幸; 高橋 絢香*; 島田 明彦; 山本 春也; 有谷 博文*; 八巻 徹也
no journal, ,
水溶液へ300keV以下の低エネルギー電子線を照射することで液表層にプラズマが形成され、それを反応場とした塩化白金酸イオンの還元によって白金ナノ粒子膜が生成する現象を見出した。本研究では、このプラズマ反応場の特徴を活かした貴金属ナノ粒子膜の作製指針を得るため、塩化金酸イオンを用いたときのナノ粒子膜生成について調べた。その結果、白金同様、金(Au)でも水溶液表面に膜状生成物が生じることを確認し、塩化金酸イオンと共存させるアルコールとしてエタノールよりも2-プロパノールの方がより均一粒径(5-20nm)で高密度な粒子膜を生成した。また、X線光電子分光分析により、粒子膜を構成しているAuの85%が金属Au(0)まで還元されていることがわかった。TiO基板に転写したAuナノ粒子膜を200Cに加熱しながら1000ppmの一酸化炭素を含む空気を流通すると二酸化炭素の生成が見られたことから、その触媒作用が確認できた。以上の結果から、電子線誘起の極表層プラズマ反応場を用いた新たな触媒作製技術の可能性を拓いた。